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司法書士や弁護士による任意整理後の返済代行・送金代行サービスは、あなたにとって本当に必要ですか。  (更新日:2019.09.26)

弁護士や司法書士事務所の返済代行・送金代行サービス(その他いろいろ言い方はあるかもしれませんが・・)について以前に紹介し、多くの反響がありました。

 

最近も返済代行・送金代行手数料の件で電話相談を頂くことがありましたので、ご存知のない方がまだいらっしゃるようですので、再度皆様に情報提供をすべく記事にあげることにしました。

 

あさひ司法書士事務所では、他の事務所で和解した後の再和解の相談をしばしば頂くのですが、かなりの割合で返済代行・送金代行サービスを利用していたとお伺いします。おそらく返済代行・送金代行サービスをしている事務所が多いのかもしれません。

 

任意整理の手続き報酬とは別に、返済代行・送金代行サービスを提供し、依頼者から毎月長期にわたって代行報酬を領収し続けている事務所からは、返済代行のメリットについては十分に説明されているのではないかとは思います。しかし、返済代行・送金代行サービスを積極的に推進している事務所の場合には、デメリットについては触れにくい話題なのかもしれませんね。

 

そこで、返済代行・送金代行サービスをしていない、あさひ司法書士事務所だからこそ、遠慮なくズバット言えることもあるのではないかと思い、記事にました。

 

早速ですが、弁護士や司法書士に任意整理を依頼して、債権者との和解が成立すれば、各債権者毎に毎月支払いを続けていくことになります。

 

返済代行・送金代行サービスとは、その返済を任意整理を依頼した事務所が代行してくれるサービスをいいます。依頼者は、債権者が複数あっても、事務所にだけ毎月一度振り込むだけで、あとはその事務所が各債権者に振込みをしてくれることになります。

 

もちろん、無償でしてくれるというのであれば月1回振り込むだけで済むので、ありがたいサービスではありますが、実際のところ任意整理の手続費用とは別に、債権者1社あたり月1回振り込みの代行をしてもらうごとに毎回1,000円ほどの手数料がかかっているようです。

 

任意整理をしたという皆様で、和解後に各債権者へ直接振り込むのではなく、依頼した事務所に毎月振り込みをしているという方は、一度事務所に毎月振り込んでいる金額と、実際に債権者に支払わなければならない和解金額との合計額を見比べてみてください。

 

その金額に差があれば、返済代行・送金代行手数料が発生している可能性があります。

 

一見すると、1社1回の振込みで1,000円程度ということで、少額のように見えるかもしれませんが、実際のところどうでしょうか。

 

以下例をあげて説明します。

 

【事例①】 5年60回の分割返済であれば代行手数料は1社6万円にもなります。それが数社あればどうでしょうか。例えば5社ならば、何と30万円!にもなります。

 

これはあくまで返済・送金代行サービスの手数料であって借金自体を減らすことには全くつながるものではありません。

 

 

【事例②】 7年84回分の分割返済であれば代行手数料は1社8万4千円にもなります。それが数社あればどうでしょうか。例えば5社ならば、何と42万円!にもなります。

 

「ちりも積もれば山となる」という言葉もありますが、件数がもっと多ければ、さらにその代行手数料の総額は多額となります。

 

この数字をみて、驚きの金額だとは思いませんか。正直この数字を知って、それでも返済・送金代行サービスを受けたいという依頼者がどれだけいるのか・・・とは思います。

 

あさひ司法書士事務所に相談を頂いた方の中には、別の事務所で任意整理をしてもらい返済・送金代行を利用してきたが、事務所から返済代行手数料を取られていることに気が付かず、長年事務所に振込みを続けていたことを大変後悔しているという方もいらっしゃいました。確かに、自分で直接債権者に返済していれば、借金をもっと減らせていたでしょうし、もっと早く返済できていたかもしれませんので、そのように感じるのはある意味当然のことだ思います。

 

もちろん、事務所が返済を管理してくれることになるので、支払い忘れを防止するなど、返済・送金代行サービスにもメリットがないわけではありません。特に自分では返済を管理できないというのであれば、費用がかかってでも利用するメリットはあるでしょう。

 

結局、そのメリットとそれにかかる費用とを見比べて、なお費用対効果を依頼者様が感じられるかどうかが重要だと思います。もし費用対効果を感じるという方は、返済代行を利用されたらと思います。逆に、費用対効果を感じないのでしたら、無理に利用する必要はないと思います。

 

なお誤解があるといけませんので念のため申し上げておきますが、依頼した事務所に返済・送金の代行を頼まなくても依頼者が直接債権者へ返済することはできますのでご安心下さい。

 

特に、昔と違って、債権者へ返済をしたければ、自分でパソコンやスマホからネットバンキングを利用してできますし、コンビニでも払えますし、街中にあるATMでも返済できてしまいます。

 

また、返済するために手間がそれほどかかるわけでもないと思います。

 

さらに、自分で色々と工夫すれば、振込み手数料すら安くできてしまう場合もあるでしょう。こちらの記事もご参考下さい。

 

皆様の中には、任意整理をしてもらった手前、返済・送金代行サービスを断りにくいという方がいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、自身の生活再建を最優先に考え、出費を抑えられるところは、どんどん抑えてゆきべきだと思いますし、何ら遠慮する必要もないと思います。

 

また、そのためにこそ任意整理を依頼しているのですから・・・。

 

私の依頼者には、もし返済・送金代行サービスについて尋ねられれば、『返済代行サービスの手数料を払うぐらいなら、債権者への返済に積極的にあてて、少しでも借金を減らす方がいいのではないですかと助言しております。

 

もちろん返済・送金代行サービスを利用してもらえれば事務所にとっては、任意整理の費用以外に、長期にわたって返済代行サービスの報酬が毎月が入ってきて大変ありがたいとは思うのですが・・・。

 

裏を返せば、依頼者の金銭的負担が増すということです。

 

それでも、なお返済代行を希望される依頼者様がいらっしゃるのでしたら、当事務所も代行サービスの提供を検討しようと思いますが、今のところ利用を希望される方がいらっしゃいませんでした。

 

逆に他の事務所に依頼した方で返済代行を利用しているとお聞きすることがしばしばありますが、なぜそんなに多くの利用者がいるのか正直不思議に思っております。

 

返済代行サービス利用の説明の際に、1回の代行手数料だけではなく、完済までに支払う代行手数料の総額まで説明してあげているのでしょうか?

 

振込手数料を節約できるネットバンキングを利用した送金方法もあることも助言してあげているのでしょうか?

 

実際任意整理の依頼をしようと事務所を探していて他の事務所に依頼しようと思っているが、返済代行を利用するように言われているという相談者様もいらっしゃいました。

 

他の事務所に依頼するつもりの相談者様でしたが、相談者様のお役に立てればと思いましたので、私が返済代行について説明をしてあげたところ、その方は依頼しようと思っていた事務所に駄目なら依頼を辞める覚悟で返済代行は利用したくないとはっきり伝えたようです。すると、他の事務所に行かれては元も子もないと思われたのか、あっさり了解して頂けたと後日その方からお礼を兼ねて、事後報告を頂いたこともございました。

 

もし現在返済代行サービスを利用中で、費用対効果を感じられず、サービスの利用を止めたいと思われのでしたら、すぐに依頼している事務所に希望を伝えて相談されたらと思います。

 

また、これから任意整理をしようと思って依頼先を考えている場合は、任意整理の費用が他より安いと飛びついてしまう前に、依頼先が返済・送金代行サービスを利用することを任意整理依頼の必須条件にされていないか、利用しない自由もあるのか、仮に利用するならその費用はどの程度なのか(特に重要なのは完済までのトータルで費用がどのくらいかかるのかを考えて)など、依頼してしまう前に、事前にしっかり説明を聞いてから依頼するかどうかを判断したほうがよいと思います。

 

任意整理の費用を見比べるときには、単純に任意整理手続き費用だけにとらわれず、その他費用はかからないのかにも十分気をつけてみて下さい。

 

任意整理の費用を安く抑えようと思って事務所を選んだものの、実は返済・送金代行サービス料が必要となって全体の費用を合わせると結果的に当初の見込みと異なり割高になってしまったなんてことにならないように気をつけてください。

 

なお、返済代行サービスのメリット・デメリットのより詳しい考察については、以前に紹介しましたこちらの記事も参考にしてみて下さい。

 

 

あさひ司法書士事務所

司法書士久保正道

 

 


 

 

あさひ司法書士事務所では、過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生を含む債務整理業務に特化して10年以上のキャリアをもつ司法書士久保正道が電話受付から面談・交渉、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。もちろん相談をお受けした司法書士が、実際の交渉も自ら直接行いますので、安心してお任せ頂けたらと思います。 

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