オリンポス債権回収株式会社とは・・・
いわゆる『サービサー』と呼ばれる会社で、金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者にあたります。
このオリンポス債権回収株式会社から、突然自宅に手紙が届いたという方はいらっしゃいませんか?
心当たりのない会社名のため、中には架空請求ではないかと不審に思われてネットなどで色々と調べられ、あさひ司法書士事務所の記事に辿り着いた方ももいらっしゃるかもしれません。
実は、このオリンポス債権回収株式会社は、法務大臣の許可を得た債権回収を業とする会社で、違法な業者ではありません。
但し、オリンポス債権回収株式会社になりすましている偽の会社の可能性もあるので注意はして下さいね。
あさひ司法書士事務所でも、オリンポス債権回収株式会社から手紙が自宅に届いたが、どうしたらいいですかとの相談をお受けすることがあります。
過去に相談を受けたケースですが・・・
(1)株式会社武富士が保有していた貸付け債権を最終的に株式会社北人や株式会社キュ・エルという会社が譲り受けて、その会社から委託を受けて、顧客に催促の手紙を送ってくる場合がありました。
(2)ディックファイナンス株式会社・アイク株式会社(現商号 CFJ合同会社)の保有していた貸付け債権を有限会社ラックスキャピタルという会社が譲り受けて、その会社から委託を受けて、顧客に催促の手紙を送ってくる場合もありました。
(3)株式会社アプラスの保有していた求償債権を合同会社OCC(平成29年4月17日設立)という会社が譲り受けて、その会社から委託を受けて、顧客に手紙を送ってくる場合もありますした。
なお、株式会社アプラスから合同会社OCCへ債権を譲渡したことを知らせる『債権譲渡通知書』が、顧客宛に送付されくることがあるようです。
(4)株式会社アプラスの保有していた債権をエムズホールディング株式会社という会社が譲り受けて、その会社から委託を受けて、顧客に催促の手紙を送ってくる場合もあります。
(5)株式会社アプラス(株式会社アプラスパーソナルローン)の保有していた債権を株式会社MKゼータという会社が譲り受けて、その会社から委託を受けて、顧客に催促の手紙を送ってくる場合もあります。
(6)中央クレジット株式会社の保有していた債権を有限会社ラックスキャピタルという会社が譲り受けて、その会社から委託を受けて、顧客に「法的予告通知」等の催促の手紙を送ってくる場合もあります。
いずれも、もともと借りていた会社とは全く違う、実に覚えのない名前の会社からの手紙なので、困惑してしまう方も多いと思います。
そのような手紙は、以前に借金をしていたが、何らかの事情により途中で借金の返済ができなくなってしまい、そのまま長期間にわたって返済がされていない顧客に届くことがあります。
もちろん、長期滞納でない場合ありますのでケースバイケースで、正確には取引履歴等を取り寄せてしっかりと調査してみる必要がはあります。
オリンポス債権回収株式会社から債務者宛てに送られてくる手紙の内容の一例として、以下のようなものがあります。
※和解提案書という表題で・・・
『・・・現在に至るまで貴殿よりお支払についてのご連絡を頂いておりませんが、当社と致しましては貴殿の現在の状況を考慮の上、速やか、かつ、円満に解決を図りたいと考えております。そこで、下記の和解案をご提案致しますのでご検討の上、上貴連絡先担当者までご連絡下さいますようお願い致します。なお、同案についてお問合せ・ご希望がありましたら同じく上記担当者までお気軽にご連絡を下さい。・・・』
(コメント)
では、どのような和解案が記載されているかというと・・・
本来長期滞納が続いていれ延滞金(遅延損害金)により借金が膨らんでしまっているはずなのであるが、損害金無しの元金のみの分割払いという一見非常にありがたい内容になっていることがあります。
債務者の中には、長期滞納してしまっていることの後ろめたさや、突然の手紙が届いたあせりもあり、驚くような有利な和解条件に、債権者等の連絡先にすぐに電話をいれてしまう方もいらっしゃるだろうと思います。
※法的措置予告通知という表題で・・・
『・・・貴殿に対し支払の催告及びご連絡を重ねてお願いし催告書においては法的措置への移行も検討していることをお伝えしております。しかしながら、本書面発行日現在に至るまで、貴殿よりお支払あるいはご連絡を頂けない状態が続いていることは誠に残念であり、先にお伝えしました通り法的措置へ移行せざるを得ない状況にあります。もっとも、当社と致しましては話合いによる解決が望ましいと考えており、支払方法等に関するご相談を承る用意があることもお伝えした通りです。つきましては、法的手段による解決を回避し、これ以上の事態の悪化を防ぐためにも、・・・請求債権合計額のお支払について、本状到着後、速やかに上記連絡先担当者までご連絡下さいますよう改めてお願いします。』
(コメント)
法的措置と聞けば通常は裁判を起こすぞ!という意味だと思いますが、一般の人にとってはかなり心理的圧迫を受ける内容だと思います。
一方で、支払方法等に関するご相談をうけたまわる用意があると言われれば、一般の人は、あせって相手方に連絡をしてしまいかねないでしょう。
◆ここからが大事な話です◆
オリンポス債権回収株式会社から手紙が届いた皆様に限りませんが、5年以上借金の返済を一切せずに滞納されているかもしれない皆様は、お手紙が届いた場合に債権者やその委託を受けた会社に連絡をする前に、以下の点をチェック!
最後に取引した日から5年を経過していないか?
もし、最後に取引した日から5年を経過している場合には、債権者に対し消滅時効を援用すれば、借金の返済義務を免れられる可能性があります。
ただし、債権者が5年を経過する前に裁判を起こしていた場合など個々の事情によっては、消滅時効の援用によっても借金の返済義務を免れられないケースもあります。
ですので、最後に取引した日から5年を経過しているかもしれない場合には、債権者等と今後の借金の返済交渉(例えば、返済の猶予、借金の減額、分割払いなど)をする前に、消滅時効の可否をまず検討してみて下さい。
できれば、借金問題に関しては無料相談を実施している事務所さんも多いと思いますので、債権者等に連絡を入れる前に、専門家の助言を受けられることをお勧めします。
なぜなら、最終取引日から5年が経過している場合に、債権者に対し消滅時効を援用すれば本当は借金の返済義務を免れられたのに、それをしないまま債権者等と借金の返済に向けた交渉や合意をしてしまうと、たとえ後から本当は借金を時効消滅させることができたと気付いたとしても、後から消滅時効を認めてもらうことができなくなってしまうことがあるからです。
債権者等と交渉したり和解してしまったのは、消滅時効のことを知らなかったからだと主張しても、それだけを理由に消滅時効を後から認めてもらうことは大変難しいのです。
なお、消滅時効の援用をすれば借金が消滅する場合であったとしても、債務者が消滅時効を援用しない限りは、債権者が借金の返済を求めたとしても違法とはいえません。
また債権者等は債務者に対して消滅時効のことを説明する義務もありません。
もちろん債権者にとっては、債務者から消滅時効を主張されれば借金を返済してもらえなくなり不利益を受けますので、わざわざ消滅時効の案内をしてくれる債権者はいないでしょう。
むしろ、債権者は借金に関連する法律に精通しておりますので、消滅時効の可能性を認識しつつ、それを債務者に気付かれないように、言葉巧みに何とか返済の約束を早期に取り付けて、債務者が消滅時効の主張をできないようにしてしまおうと考えるところもあるかもしれません。
例えば『元金だけでも支払ってもらえたら』『損害金は免除してあげるよ』など。
更に言うと、最後に取引した日から5年を経過していて借金の消滅時効を債務者が援用しさえすれば借金が消滅するようなケースでも、債権者が裁判を起こしてくるケースもあります。
もちろん、裁判を起こされても債務者が消滅時効を援用すれば、債権者の請求は棄却され借金を返済する義務を免れることになります。
しかし、もし債務者が裁判で消滅時効の援用を主張しなければ、裁判官は内心では消滅時効を主張すれば債務者が勝てるのにと思ったとしても債務者に有利な助言はできませんので、債権者の請求を認める判決を出さざるをえないことになります。
そして、その判決が確定してしまうと、あとから再度消滅時効を主張して裁判で争おうと思っても基本的にできないことになっています。
借金の消滅時効のことを知らない債務者も少なくないと思うので、裁判で何ら消滅時効を主張することもなく債権者に勝訴判決を取られ判決が確定してしまい、借金を時効消滅させることができなくなってしまうケースも結構あるのかもしれません。
■(結論)
オリンポス債権回収株式会社から手紙が届いた皆様!全ての借金が消滅時効に該当しているとはいえませんが、その可能性がないとはいえません。
当事務所でも消滅時効の援用で無事解決できた依頼者様がいらっしゃいました。
ですので、オリンポス債権回収株式会社と借金の返済のことで話合いをしてしまう前に、まずは最後の取引日から5年近く滞納していそうな場合には、消滅時効の可能性を考慮に入れて、まずは消滅時効の主張をしてみることをお勧めします。
あさひ司法書士事務所では、オリンポス債権回収株式会社に対する消滅時効の援用の実績もある、債務整理業務に特化して10年の司法書士久保正道が直接皆様の担当をさせて頂きます。
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