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【借金の消滅時効援用】5年以上借金を滞納されている皆様!突然の手紙に注意|アビリオ債権回収株式会社の場合  (更新日:2017.04.27)

アビリオ債権回収株式会社

 

いわゆる『サービサー』と呼ばれる会社で、金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者にあたります。

 

このアビリオ債権回収株式会社から、突然自宅に手紙が届いたという方はいらっしゃいませんでしょうか?

 

心当たりのない会社名のため、中には架空請求ではないかと不審に思われてネットなどで色々と調べられる方もいらっしゃるかもしれませんが、法務大臣の許可を得た債権回収を業とする会社で違法な業者ではありません。

 

あさひ司法書士事務所でも、アビリオ債権回収株式会社から突然に手紙が自宅に届いたが、どうしたらいいですかとの相談をお受けすることがあります。

 

アビリオ債権回収株式会社が、プロミス株式会社三洋信販(ポケットバンク)株式会社(現商号 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)から、滞納している顧客の未払い債権を譲り受けて、顧客に催促の手紙を送ってくることがあります。

 

(追加情報)

大阪信用金庫(旧 泉州信用金庫)のカードローン契約の際に株式会社オリエントコーポレーションが保証を引き受けていたケースで、支払い滞納後に株式会社オリエントコーポレーションが代位して弁済して債権(いわゆる求償権)を取得したが、その求償権をアビリオ債権回収株式会社が譲り受けている場合もございました。

 

 

 
そのような手紙は、以前にプロミスから借金をしていたが、何らかの事情により途中で借金の返済ができなくなってしまい、そのまま長期間にわたって返済のない顧客に届けられていることがあります。

 

もちろん、長期滞納でない場合ありますのでケースバイケースではありますが・・。

 

アビリオ債権回収株式会社から債務者宛てに送られてくる手紙の内容は、以下のようなものがあるようです。

 

催告書という表題で・・・


 
当社では、〔請求内容〕欄記載の債権について、先日よりご案内申し上げておりますが、本日現在まで解決に至っておらず、大変困惑しております。当社としては、残念ながら、任意整理による解決は困難であると判断せざるを得ません。そのため当社では、本件解決のため、やむを得ず法的対応の検討に入りましたので通告します。なお、貴殿が裁判外での解決を望まれる場合には、本状到着から1週間以内に上記の連絡先にご連絡いただきますよう、お願いします。』

 

記載されている請求額は、長期滞納が続いている場合には、借金が膨らんでしまって相当高額になってしまっていることも少なくないでしょうし、手紙に「法的対応の検討」「1週間以内」という文言があれば、債務者の中には、あせって何とか相談にのってもらいたいという一心で債権者の連絡先にすぐに電話をいれてしまう方もいらっしゃるだろうと思います。しかし、ちょっと待ってください。
 

 

お電話のお願いという表題で・・・ 【はがき形状】


 

『早速ではございますが、本状記載のご契約につき早急にご相談したいことがございますので下記連絡先までご連絡くださいますようお願いいたします。お忙しいこととは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。※当社は、法務大臣から債権管理回収業の許可を受けた債権回収会社です。』

 

あせって何とか相談にのってもらいたいという一心で債権者の連絡先にすぐに電話をいれてしまう方もいらっしゃるだろうと思います。しかし、ちょっと待ってください。

 

 

債権譲渡譲受通知書という表題で・・・


 

今般SMBCコンシューマーファイナンス株式会社は、嘉吉打つ時効記載の債権を平成○年○月○日をもちまして、アビリオ債権回収株式会社に譲渡し、アビリオ債権回収株式会社は、これを譲り受けました。』

 

 

【要注意のご案内】

この債権譲渡通知に記載されている〔通知事項〕については、非常に注意しなければなりません。

 

実は、通知事項の記載の中に、期限の利益を喪失した日として年月日が記載されていることがあるのですが、実際は期限の利益喪失した日ではなく、債権譲渡がなされた日が記載されていることがあります。

 

後述する消滅時効が認められる必要条件として、5年の経過が必要となるわけですが、これは債権譲渡がなされた日から起算されるわけではありません。基本的には期限の利益が喪失した日から5年を経過していないかが目安となります。

 

そのため、本当は真に期限の利益を喪失した日からみれば5年を経過しているにもかかわらず、期限の利益を喪失した日と誤って記載された日(実際は債権譲渡された日)から見れば5年を経過していなかった場合に、債務者が消滅時効の援用は無理と諦めてしまう危険があります。

 

くれぐれも、通知事項の中に記載されている期限の利益を喪失した日には騙されないようにくれぐれもご注意下さい

 

 

 

◆ここからが大事な話です◆
 
アビリオ債権回収株式会社から手紙が届いた皆様に限りませんが、5年以上借金の返済せずに滞納されているかもしれない方で、債権者から『催告書』『通知書』などが届いた場合の注意です。

 

まず、債権者に連絡を入れる前に、最後に取引した日から5年を経過していないか

 

もし、最後に取引した日から5年を経過している場合には、債権者に対し消滅時効を援用すれば、借金の返済義務を免れられる可能性があります(ただし、債権者が5年を経過する前に裁判を起こしていた場合など個々の事情によっては、消滅時効の援用によっても借金の返済義務を免れられないケースもあります。)

 

ですので、最後に取引した日から5年を経過しているかもしれない場合には、債権者と今後の借金の返済交渉(例えば、返済の猶予、借金の減額、分割払いなど)をする前に、消滅時効の可否をまず検討してみて下さい。

 

できれば、借金問題に関しては無料相談を実施している事務所さんも多いと思いますので、債権者に連絡を入れる前に、まずは専門家からの助言を受けられることをお勧めします。

 

なぜなら、最終取引日から5年が経過していて債権者に対し消滅時効を援用すれば本当は借金の返済義務を免れられたのに、それをしないまま債権者と借金の返済の交渉や合意をしてしまうと、たとえ後から本当は借金を時効消滅させることができたと気付いたとしても消滅時効を認めてもらうことができなくなってしまうことがあるからです。

 

債権者と交渉したり和解してしまったのは、消滅時効のことを知らなかったからだと主張しても、それだけを理由に消滅時効を後から認めてもらうことは大変難しいのです。

 

なお、消滅時効の援用をすれば借金が消滅する場合であったとしても、債務者が消滅時効を援用しない限りは、債権者が借金の返済を求めたとしても違法とはいえません。また債権者は債務者に対して消滅時効のことを説明する義務もありません。もちろん債権者にとっては、消滅時効を主張されれば借金を返済してもらえなくなり不利益を受けますので、債務者に対して、わざわざ消滅時効の案内をしてくれる債権者もいないでしょう。

 

むしろ、債権者の中には、消滅時効の可能性を認識しつつ、それを債務者に気付かれないように、言葉巧みに何とか返済の約束を早期に取り付けて、債務者が消滅時効の主張をできないようにしてしまおうと考えるところもあるかもしれません。

 

更に言うと、最後に取引した日から5年を経過していて借金の消滅時効を債務者が援用しさえすれば借金が消滅するようなケースでも、債権者が裁判を起こしてくる場合があります(なお、アビリオ債権回収株式会社が原告の裁判なら訴状には事件名として『譲受債権請求事件』と記載されているかと思います。)。

 

もちろん、裁判を起こされても債務者が消滅時効を援用すれば、債権者の請求は棄却され借金を返済する義務を免れることになります。しかし、もし債務者が裁判で消滅時効の援用を主張しなければ、裁判官は内心では消滅時効を主張すれば債務者が勝てるのにと思ったとしても、債権者の請求を認める判決を出さざるをえないことになっています。そして、その判決が確定してしまうと、あとから再度消滅時効を主張して裁判で争おうと思っても基本的にできないことになっています。

 

借金の消滅時効のことを知らない債務者も少なくないと思うので、裁判で何ら消滅時効を主張することもなく債権者に勝訴判決を取られてしまい、その結果借金を時効消滅させることができなくなってしまうケースも結構あるのかもしれません。

 

 

(結論)

 

アビリオ債権回収株式会社から手紙が届いた皆様!全ての借金が消滅時効に該当しているとはいえませんが、その可能性がないとはいえません。当事務所でも消滅時効の援用で無事解決できた依頼者様がいらっしゃいました。

 

ですので、アビリオ債権回収株式会社と借金の返済のことで話合いをしてしまう前に、まずは最後の取引日から5年近く滞納していそうな場合には、消滅時効の可能性を考慮に入れて、まずは消滅時効の主張をしてみることをお勧めします。
 
 
(補足)

 

過払い金の可能性の検討も忘れずに・・・

 

アビリオ債権回収株式会社が、プロミス株式会社(現商号 SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)から債権を譲り受けているが、その債権が取引履歴を取寄せて調査してみると、借金が無くなり、むしろ過払い金が発生していることがあります。ですので、過払い金の有無の確認と、その請求も忘れないようにしましょうね。

 

あさひ司法書士事務所

司法書士久保正道
 

 


 

あさひ司法書士事務所では、過払い金請求・消滅時効の援用・任意整理・自己破産・個人再生を含む債務整理業務に特化して12年以上のキャリアをもつ司法書士久保正道が受付から面談・交渉、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。

 

相談をお受けした司法書士が、実際の交渉も自ら行いますので、安心してお任せ頂けたらと思います。

 

アビリオ債権回収株式会社に対する消滅時効の援用の実績もある、あさひ司法書士事務所は相談無料ですので、まずは遠慮なく相談を!

 

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