札幌債権回収株式会社は何の会社?
(答え)
『サービサー』と呼ばれる会社で、金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可(法務大臣 第118号)を得た民間の債権管理回収専門業者です。
この記事をお読みになっている方は、この札幌債権回収株式会社から自宅に封書が届き、心当たりのない会社名のため、架空請求ではないかと不審に思われてネットなどで色々と調べられたのではないでしょうか。
なぜ名前も知らない会社が、あなたやあなたの家族あてに手紙を送ってきているのでしょうか。
それは、おそらく札幌債権回収株式会社が、他の貸金業者等から、あなたやあなたの家族に対する債権を譲り受けたり、あるいは貸金業者等から回収の委託を受けて請求をしてきていると思われます。
一部ですが、あさひ司法書士事務所で取り扱った事例を紹介しますので、あなたやあなたの家族に心当たりのある会社がないかどうか思い出してみて下さい。
①三和ファイナンス株式会社(株式会社SFコーポレーション)の保有していた債権をエム・テー・ケー債権管理回収株式会社が譲受け、そこから更に債権譲渡を受けているケース。
②イオン銀行、イオンクレジットサービス株式会社の保有していた債権をエー・シー・エス債権管理回収株式会社が譲受け、そこから更に債権譲渡を受けているケース。
③ディック、アイクなどCFJ合同会社(シーエフジェー)の保有していた債権を譲受けているケース。
④もともとシティコープ・カードサービスInc(現 シティカードジャパン株式会社)の債権であったものを、栄光債権回収株式会社が譲受、それを更に譲受けているケース。
⑤もともとゼネラル・エレクトリック・キャピタル・コンシューマー・ファイナンス株式会社の債権であったものを、栄光債権回収株式会社が譲受、それを更に譲受けているケース。
心当たりのある会社はありませんか。そういえば、相当大昔の話だが、そのような会社から借入していたことがあったような気がする・・・・とか。
まさに札幌債権回収株式会社からの手紙は、その大昔の借金の督促のことかもしれません。
札幌債権回収株式会社から債務者宛てに送られてくる手紙の内容の一部としては以下のようなものがありました。
訴訟予告通知
『・・・先にお送りししました「債務弁済計画の提案について」において、貴殿のご負担を軽減するための提案をさせて頂きましたが、本日まで貴殿より明確なご返答も無く、任意で解決することは困難であると判断せざるを得ない状況となっております。
よって不本意ながら、当社は、△△裁判所に訴訟を提起することに決定し、現在申立手続きの進行中です。このままお支払いがない場合、債務名義取得後、裁判所によって(動産の差押・給料の差押え等)が行われ、貴殿は信用の喪失等、種々の経済的不利益うを受ける結果なります。以上の点を考慮の上、○年○月○日までに・・・お支払い頂きますようにお願い申し上げます。・・・』
動産の差押・給料の差押えなどと記載されているのを見れば、一般の方にとっては、職場や家族にばれてしまうのではないかと相当に恐怖を感じるものと思われます。一方で、債務弁済計画の提案ということで、一見有利と思われるような提案があれば、その誘いに応じてしまうかもしれません。
しかし、誰にも相談することなく、あわてて相手方に連絡をしたり、入金をしてしまうと、場合によっては大きな損失を被ることがあります。
ここからが今回最もお伝えしたい大事となります。
相手方に電話やFAXや郵便をしてしまう前に、必ず以下の点をチェックしてください。
最後に取引した日から5年を経過していないか?
もし、最後に取引した日から5年を経過している場合には、債権者に対し消滅時効を援用すれば、借金の返済義務を免れられる可能性があります。
え!そんなこと本当にありえるのかと思った皆様! はい、実際にそういうことがありえます。
ただし、債権者が5年を経過する前に裁判を起こしていた場合など個々の事情によっては、消滅時効の援用によっても借金の返済義務を免れられないケースもありますので、全ての方にあてはまるかどうかと言われれば、そういうわけではありませんが・・・。
ともかく最後に取引した日から5年を経過しているかもしれない場合には、債権者等と今後の借金の返済交渉(例えば、返済の猶予、借金の減額、分割払いなど)や返済をする前に、消滅時効の可否をまず検討することが重要です。
くれぐれも、安易に債権者等と今後の借金の返済交渉(例えば、返済の猶予、借金の減額、分割払いなど)をしたり、一部であっても返済をしてしまったりするのは避けましょう。
なぜなら債権者と借金の返済に向けた交渉や合意をしてしまうと、後から本当は借金を時効消滅させることができる場合だったとしても、消滅時効を認めてもらうことが難しくなってしまうことがあるからです。
できれば借金問題に関しては相談無料という事務所も多いと思いますので、債権者等に連絡を入れる前に、一旦専門家に助言を求められることをお勧めします。
なお、消滅時効の援用をすれば借金が消滅する場合であったとしても、債務者が消滅時効を援用しない限りは、債権者が借金の返済を請求したとしても違法ではありません。また債権者等は債務者に対して消滅時効のことを説明する義務もありません。
債権者の立場からすれば消滅時効を主張されれば借金を返済してもらえなくなり不利益を受けますので、わざわざ消滅時効の案内をしてくれる債権者も通常いません。
むしろ、債権者は借金に関連する法律に精通しておりますので、消滅時効の可能性を認識しつつ、それを債務者に気付かれないように、言葉巧みに何とか返済の約束を取り付けて、債務者が消滅時効の主張をできなくなるようにしてしまおうとしていると考えて用心すべきです。
(結論)
札幌債権回収株式会社から手紙が届いた皆様!
全ての借金が消滅時効に該当しているとはいえませんが、その可能性がないとはいえませんので、札幌債権回収株式会社との間で借金の返済のことで話合いをしたりしてしまう前に、まずは最後の取引日から5年近く滞納していそうな場合には、消滅時効の可能性を考慮に入れて、消滅時効の主張をしてみる。わからないことがあれば、遠慮せず司法書士や弁護士に相談するようにしましょう。
なお、消滅時効で解決できない場合でも、任意整理や自己破産等の解決方法もあるので、一人で悩まずに前向きな気持ちで解決していきましょう。
あさひ司法書士事務所
司法書士久保正道
あさひ司法書士事務所では、過払い金請求・消滅時効の援用・任意整理・自己破産・個人再生を含む債務整理業務に特化して15年以上のキャリアをもつ司法書士久保正道が受付から面談・交渉、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。
相談をお受けした司法書士が、依頼者との接客も、相手方との交渉も自ら行いますので、安心してお任せ頂けたらと思います。
あさひ司法書士事務所は相談無料ですので、まずは遠慮なく相談を頂けたらと思います。
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