株式会社ギルドから大阪簡易裁判所で裁判を起こされ、自宅に裁判所からの郵便が配達されても受け取りを拒否、あるいは不在票を無視するなどしたり、受け取りはしたものの裁判所にも行かず、答弁書等の書類も出さないという方が、相当数いらっしゃるのではないかと推測されます。
なお、おそらくその多くの場合が、相当昔の借金に関する請求で、消滅時効を裁判で適切に主張すれば、本来返済義務を免れられたであろうと思われるものです。
なぜ、そんなことがわかるのかというと・・・
株式会社ギルドから大阪簡易裁判で裁判を起こされた後(多くが期日呼出状が自宅に届いた後)に、あさひ司法書士事務所へ依頼をされる方が多く、その依頼者の訴訟代理人として大阪簡易裁判所に出廷する機会も多く、その裁判のほとんどで消滅時効の主張を認めて頂いているからです。
一方で、毎回裁判所にて、かなりの件数の株式会社ギルドの起こした裁判を目撃しますが、残念なことに、訴えられた人達はほとんど出廷されていませんし、書面も出していないようで、次々に判決言渡しの方向で話がすすんでゆきます。
裁判を放置されている方々は、今後、株式会社ギルドに勤務先が知れれば給与の差押さえをされてしまったり、銀行や郵便局の口座まで差押さえられるかもしれないということをわかっておられるのだろうかと心配せずにはいられません。とはいえ、依頼を頂いている方ではない以上は、何ら手を差し伸べることもできないので本当に残念な気持ちになります。
ところで、大阪簡易裁判所で判決言い渡しがあれば、その後に裁判所から判決が送達されることになりますが、裁判に出頭せず反論もしていなければ、判決としては株式会社ギルドが請求するとおりの内容、すなわち延滞金を含めた借入金全額を株式会社ギルドに対して支払えという内容に通常なります。
とにかく、裁判所から書類(最初は、通常訴状の副本と期日呼出状が届きます。)が届いたら、放置してはいけません。すぐに専門家に相談しましょう。
でも、もし大阪簡易裁判所の裁判を放置してしまって、判決が出てしまったという皆様であっても、ここで諦めてはいけません。まだ消滅時効を主張して判決の結論をひっくり返す可能性が残されているからです。
というのも、もし第1審の大阪簡易裁判所の終局判決に対して不服のあるときは、控訴をすることができます。そして適法な控訴がなされた場合には、大阪地方裁判所で控訴審の審理が行われますので、その控訴審において消滅時効の主張をして、審理してもらうチャンスがあるからです。
但し、控訴の提起には控訴状を第1審の大阪簡易裁判所に提出してしなければなりませんが(民事訴訟法第286条1項)、控訴状の提出できる期間には制限があります。
すなわち控訴は、判決書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければなりません(民事訴訟法第285条参照)。
ここで要注意ですが、送達方法にもいくつか種類があり、必ずしも判決書を実際に受取った日と『判決書の送達を受けた日』とが一致するわけではないということです。
例えば、裁判所から裁判書類が郵送されたものの、不在等で受け取りをせず、不在票を見ても郵便局に取りにいくこともしなかったような場合には、『書留郵便等に付する送達』(民事訴訟法第107条)という方法がとられる場合があります。この場合、原則として、現実の到達の有無、すなわち、実際に判決書を受けとったか否かに関わらず、発送の時に送達が完了したものとみなされることになります(民事訴訟法第107条3項)。そのため、株式会社ギルドから訴えられていた人が、裁判所の判決を実際に受け取っていなくても、送達を受けた日から2週間を経過してしまうという事態が起こりえるのです。
なお、書留郵便等に付する送達がなされたときには、別途普通郵便でも裁判所から以下のような『通知書』が届くことがあります(民事訴訟規則第44条)ので、裁判を起こされていると気付いたときには、裁判所に至急連絡をとって裁判の進捗状況を早急に確認し、特に判決の言い渡しがなされてしまっている場合には、控訴状の提出できる期間内に裁判所に控訴状の提出をしなければなりません。
【通知書】
(結論)
ともかく、裁判所から書類が届きましたら、手遅れになる前に、一刻も早く専門家に相談をするようにしましょう。
あさひ司法書士事務所
司法書士久保正道
あさひ司法書士事務所では、過払い金請求・消滅時効の援用・任意整理・自己破産・個人再生を含む債務整理業務に特化して12年以上のキャリアをもつ司法書士久保正道が受付から面談・交渉、業務終了まで直接皆様の担当をさせて頂きます。
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