きらぼし債権回収株式会社(旧商号エイチ・エス債権回収株式会社)とは、何の会社でしょうか?
※2023年4月1日付けで商号が、『きらぼし債権回収株式会社』に変更となっています。
答えは、いわゆる『サービサー』と呼ばれる会社で、金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行う法務大臣の許可を得た民間の債権管理回収専門業者にあたります。
このきらぼし債権回収株式会社から自宅に【債権譲渡のご通知及びご入金方法変更のお知らせ】【ご確認のお願い】という手紙が届いたという方はいらっしゃいませんか?
心当たりのない会社名のため、架空請求ではないかと不審に思われてネットなどで色々と調べられる方もいらっしゃるかもしれませんが、法務大臣の許可を得た債権回収を業とする会社で違法な業者ではありません。但し、同一名を名乗る偽者の可能性もあるので、くれぐれも騙されないように注意はして下さい。
では、なぜ名前も知らない会社から、手紙が送られてくるのでしょうか。
あさひ司法書士事務所で取り扱った一例にはなりますが、もともとCF J株式会社(通称 ディック)から債権譲渡を受けて、顧客に手紙を送ってきていることがありました。
その債権は、相当昔の借金すなわち長期滞納状態は続いていたもので、最近になってCF Jから債権譲渡がなされたというものでした。
ところで、送られてくる手紙の中には、FAX送信用の用紙が同封されていて、住所や連絡先、勤務先、支払い方法の申入れ内容を記載して、すぐFAXするか、郵送をすうようにと求めておりました。
債務者の中には、長期滞納してしまっていることの後ろめたさや、あせりもあり、記載されている会社へすぐに電話をしたり、用紙をFAXや郵送で送ってしまうう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし・・・。
◆ここからが大事な話です◆
きらぼし債権回収株式会社から手紙が届いた皆様に限りませんが、もし5年以上借金の返済を一切していないかもしれないと思われる皆様は、相手方に電話やFAXや郵便をしてしまう前に、必ず以下の点をチェックしてください。
最後に取引した日から5年を経過していないか?
もし、最後に取引した日から5年を経過している場合には、債権者に対し消滅時効を援用すれば、借金の返済義務を免れられる可能性があります。ただし、債権者が5年を経過する前に裁判を起こしていた場合など個々の事情によっては、消滅時効の援用によっても借金の返済義務を免れられないケースもあります。
最後に取引した日から5年を経過しているかもしれない場合には、債権者等と今後の借金の返済交渉(例えば、返済の猶予、借金の減額、分割払いなど)をする前に、消滅時効の可否をまず検討してみて下さい。
できれば、借金問題に関しては無料相談を実施している事務所も多いと思いますので、債権者等に連絡を入れる前に、専門家の助言を受けられることをお勧めします。
なぜなら、最終取引日から5年が経過している場合に、債権者に対し消滅時効を援用すれば本当は借金の返済義務を免れられたのに、それをしないまま債権者等と借金の返済に向けた交渉や合意をしてしまうと、後から本当は借金を時効消滅させることができたと気付いたとしても、消滅時効を認めてもらうことが難しくなってしまうことがあるからです。
なお、消滅時効の援用をすれば借金が消滅する場合であったとしても、債務者が消滅時効を援用しない限りは、債権者が借金の返済を請求したとしても違法ではありません。また債権者等は債務者に対して消滅時効のことを説明する義務もありません。
もちろん債権者にとっては、債務者から消滅時効を主張されれば借金を返済してもらえなくなり不利益を受けますので、わざわざ消滅時効の案内をしてくれる債権者はいないでしょう。むしろ、債権者は借金に関連する法律に精通しておりますので、消滅時効の可能性を認識しつつ、それを債務者に気付かれないように、言葉巧みに何とか返済の約束を取り付けて、債務者が消滅時効の主張をできなくなるようにしてしまおうと考えているかもしれません。
例えば『元金だけでも支払ってもらえたら、損害金は免除してあげるよ』『長期分割も相談にのりますよ』など。
ところで、最後に取引した日から5年を経過していて借金の消滅時効を債務者が援用しさえすれば借金が消滅するようなケースでも、債権者が裁判を起こしてくるケースもあります。
もちろん、裁判を起こされても債務者が消滅時効を援用すれば、債権者の請求は棄却され借金を返済する義務を免れることができます。しかし、もし債務者が裁判で消滅時効の援用を主張しなければ、裁判官は内心では消滅時効を主張すれば債務者が勝てるのにと思ったとしても債務者に有利な助言はできませんので、債権者の請求を認める判決を出さざるをえないことになります。
もし、その判決が確定してしまうと、あとから再度消滅時効を主張して裁判で争うことも基本的にできません。
借金の消滅時効のことを知らない債務者も少なくないと思うので、裁判で消滅時効を主張することもなく債権者に勝訴判決を取られて判決が確定してしまい、借金を時効消滅させることができなくなってしまうケースもあります。そうなると、給与や銀行口座の差押さえの危険も発生します。
(結論)
きらぼし債権回収株式会社からから手紙が届いた皆様!
裁判を起こされ訴状や裁判所への呼出状が裁判所かた送られてきた皆様!
全ての借金が消滅時効に該当しているとはいえませんが、その可能性がないとはいえませんので、きらぼし債権回収株式会社との間で借金の返済のことで話合いをしたり、答弁書に不用意な記載をして裁判所に提出してしまう前に、まずは最後の取引日から5年近く滞納していそうな場合には、消滅時効の可能性を考慮に入れて、消滅時効の主張をしてみることをお勧めします。
なお、消滅時効で解決できない場合であっても、任意整理や自己破産等の解決方法もあるので、5年は経過していないような場合でも遠慮なく相談頂けたらと思います。
あさひ司法書士事務所
司法書士久保正道
消滅時効援用をはじめ債務整理業務に特化して12年以上の経歴を持つ司法書士久保正道が直接皆様の担当をさせて頂きます。
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