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任意整理は家族や職場に内緒・秘密でバレずにできるか?バレそうなケースはこれ!  (更新日:2016.12.12)

過払い金請求(完済済み)・債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)は家族や職場に内緒・秘密のままできるのか?
 
相談者様から家族や職場に内緒で過払い金請求や債務整理手続きを進めたいという要望がよくあります。誰しも過去の借金のことや、現在の借金のことも、秘密にしておきたいですよね。
 
ところで、『借金問題を家族や職場に内緒で解決できますよ。』という趣旨の宣伝広告をインターネット上でよく見かけるのではないでしょうか。しかし、そこまで言ってしまって本当に大丈夫なのか、相談者様に誤解を与え、相談者様にとって予期せぬ結果を招きトラブルなりはしないかと心配になってしまいます。
 
確かに、結果的に家族や職場に内緒のまま手続きを無事最後まで進められたケースも多くございます。
しかし、借金問題を専門に長年取り組んできた司法書士の経験からすれば、『必ず内緒でできますのでご安心を』とは、とても申し上げられません。むしろ相談者様には『どのような手続きであっても絶対内緒でできるという保証はありませんよ。』とお答えするようにしております。
 
そこで今回は、任意整理について、事例をもとに直接的又は間接的に家族や職場に知られてしまうかもしれないケースをご紹介しようと思います。なお、その他の手続きについても、今後随時ご紹介していきます。
あくまで可能性であって必ず知られてしまうというわけではありませんのでご留意ください
 
 
【任意整理の場合】 ※直接的又は間接的に家族や職場に知られてしまうかもしれないケース
 
(1)本人の自由にできるお金のみでは任意整理に必要な返済原資が確保できないという場合
 
任意整理を希望していたが、債権者から要求される和解条件が厳しく、本人の当初予定していた返済金額では足りない。
 
このような場合には、任意整理から自己破産や個人再生への手続変更をご案内します。しかし、どうしても任意整理を希望されるようであれば、家族に事情を説明して、家計支出を抑えてもらったり、家計収入を増やしてもらったり、金銭的援助をお願いするなど、家族の協力が必要となることもあります。
 
※もちろん、本人自身が仕事を増やして収入を引き上げたり、酒・たばこや交際費などの支出を抑えるなどして、本人自身の自由に使えるお金をもっと増やすべく努力をなされる相談者様もおられます。
 
 
(2)債権者が裁判を起こしてきた。また、その後に本人の財産を差押えしてきた場合
 
任意整理で債権者と無事に和解が成立すれば、それ以降はその和解で定めた支払いを遅れなければ債権者が裁判を起こしてくることは通常ありません。しかし、和解が成立するまでの間は、債権者はいつでも裁判を起こしてくる可能性があります。そして債権者が裁判を起こすと、裁判所の封筒で訴状が自宅に届きます
もし同居家族が裁判所からの郵便を受取れば、家族が驚いて本人に事情を尋ねるなどして秘密にはできなくなるかもしれません。
 
なお、たとえ司法書士や弁護士に任意整理を依頼して和解に向けた話合い中であったとしても、債権者が裁判を起こすことは禁じられておりません。実際に業者が話合い継続中に裁判を起こしてきたケースもございます。
 
また、裁判で判決がでた後も返済をしなければ、債権者は本人の財産の差押え手続きをとることがありえます。
 
例えば、債権者が本人の給与を差押えてきた場合には、本人に事前連絡無く、勤務先に裁判所から給与差押に関する書類が届くことになります。そうなれば秘密にしておくことは難しくなるかもしれません。
 
※但し、過去の任意整理の経験からいえば、実際に裁判まで起こしてくる債権者は少数です。
また債権者ごとの特徴を考慮して、できるかぎり裁判を起こされないように交渉にあたっております。
 
 
(3)任意整理をする借入れに保証人や連帯債務者がついている場合
 
借入れの保証人や連帯債務者は、通常本人の親族や親しい友人に、本人がお願いしてなってもらっていることが多いのではないでしょうか。
もし、ご本人が返済に困って保証人や連帯債務者のついている借入れの任意整理をしようとすれば、債権者は保証人や連帯債務者に返済を請求していくことが考えられます。
そうなれば秘密にしておくことは難しくなるかもしれません。
 
 
(4)物的担保のついた借入れを任意整理する場合
 
例えば、大型テレビや車など高額な商品を購入するときに、ローンを組まれることが多いと思います。その場合にその商品に担保(物的担保)を設定することがよくあります。
すなわち、もしローンの返済が滞った場合には、債権者がご本人にその商品の返却を求め、それを換金して返済にあてることができる権利を持つということです。
ですので、物的担保のついた借入れの任意整理をすると、債権者から購入した商品の返却を求められることがあります。
もし、その返却すべき商品が、家族も共に利用している大型テレビや車などであれば、突然自宅から大事な物がなくなれば家族が異変に気付き、家族が事情を尋ねてくることも考えられます。そうなれば秘密にしておくことは難しくなるかもしれません。
 
 
(5)本人が契約したクレジットカードの家族カードをご家族が利用している場合
 
クレジットカード会社からの借入れについて任意整理をすれば、本人がお持ちのクレジットカードはもちろんですが、家族カードの利用もできなくなります。また債権者から家族カードの返却を求められることもあります。
 
よくある事例でいえば、妻が、夫の契約したクレジットカードの家族カードを利用して食料品の購入するなど日常生活で利用しているというケースです。
もし、その家族カードが突然利用できなくなれば妻は夫に事情を尋ねてくるかもしれません。またカードを債権者に返却するために妻からカードを回収する必要もでてきます。そうなれば秘密にしておくことは難しくなるかもしれません。
 
 
(6)任意整理で和解し返済を完了したところ債権者から借用書や和解書が自宅に郵送されてきた場合
 
任意整理後に無事返済を終了すると、債権者によっては借用書や和解書を郵送返却してくる場合があります。その際任意整理を依頼していた事務所宛に郵送されることもあれば、直接依頼者様の自宅に郵送される場合もあります。もし同居家族が債権者からの郵便を受取れば、本人に事情を尋ねるなどしてくるかもしれません。
もしそのような書類の郵送を希望しない場合には、完済の時期が近くなりましたら、債権者に連絡をとって何か郵送する予定はあるか、もし郵送予定があれば郵送をしないようにお願いしたり、有人店頭での受け取りの希望を伝えるなど、債権者と相談されることをお勧めします
 
(7)任意整理後に将来借入れが必要になった場合
 
任意整理をすると、事故情報が信用情報機関に登録されます。そのため、将来的に例えば子どものための教育ローンの申し込みや、家族で住むための自宅を購入するための住宅ローンの申し込み、携帯電話の割賦購入の申し込み、クレジットカードの申し込みなどで審査がとおらないという場面に遭遇することも考えられます。その際、過去の任意整理の事情を知らない家族からは、なぜなのかと事情を尋ねられることもあるかもしれません。
 
 
(担当司法書士久保の思い)
 
私は必ずしも家族に内緒で手続きをすすめることを推奨しているわけではありません。確かに、借金問題について家族にバレることは誰でも嫌なことだと思います。
しかし内緒で進めていくことは本人が一人で問題を抱え込むことにもなり、経済的にも精神的にも大変なストレスを抱えることが多くなるのも事実です。また、家族が借金のことを承知しているのであれば、解決方法の選択も広がり、より負担の軽い解決方法が望めることも多くなります。
ですので、できれば家族みんなで協力し助け合いながら、解決に向けて頑張って頂くのが理想ではないかと思っております。
 
とはいえ、本人と家族との関係にも様々なご事情もあるでしょうし、また人それぞれ様々な感情や価値観を持っておられることも承知しております。
ですので、最終的には相談者様のご希望を最大限尊重すべく、長年にわたり債務整理業務に特化して積み重ねてきた実績と経験(※これが、あさひ司法書士事務所の最大の強みです。)を生かしながら、相談者様の希望にかなうように最善は尽くしたいと思っております。
また、実際上、任意整理について家族内緒で無事手
続を成功させることができた方がほとんどであります。
 
あさひ司法書士事務所は、大阪を中心に主に近畿圏(大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山など)の方からのご相談・ご依頼をお受けしております。
 
過払い金請求・債務整理業務に特化して10年の実績と経験をもつ司法書士久保正道が皆様の担当をさせて頂きます。
 
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あさひ司法書士事務所
司法書士久保正道
 
 

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